呪術師に成る#2 ルプナのディエタ

NATIVE SOONのキー坊です。私たちNATIVE SOONでは、「シピボ族の民族植物研究」を進めるため、シャーマンと共に様々な植物をディエタ(食事制限)し体内に摂取しながら、その結果を発表していきます。

第一回目となる植物のディエタ報告は、約1ヶ月間に渡り私・キー坊がディエタした「ルプナ」という植物についてです。

【通称】ルプナ(Lupuna)
【学名】コリシア・インシグニス(Chorisia integrifolia.)
【和名】ヨッパライノキ
【土着名】ショーノ(Shono)

使用部分:ルプナの幹の芯

効能:幻覚作用。万能薬(偏頭痛、腸疾患、体内の腫瘍、病身の緩和)

推奨ディエタ期間:1年以上

 


シピボ族における「ルプナ」の位置づけ


 

シピボ族が暮らすアマゾンの熱帯雨林には、森林伐採により絶滅の危機に瀕する「ルプナ」という神木が生えています。

 

シピボ族の神話によると、このルプナは “呪術師にとっての世界樹”であるといいます。

 

神話の中で、世界樹ルプナはこの世を支えている大木で、
この世界の柱の役割をになうルプナが切り落とされてしまうと、空は崩れて落ちてきて、
自分たちのこの世が潰れて無くなってしまい、世界が無くなってしまうと考えられている、シャーマンたちの信仰の世界の中心に生える木です。

 

ルプナには、強い幻覚作用があります。さまざまな現象が幻としてあらわれます。
そうしてルプナの酔いはとてもメロウです。

 

ルプナをディエタするときに、シャーマンのアルマンドはルプナに誓いをたてます。
ディエタとは、“ある旋律を奏でる機械を体の中に入れること”だと彼は説明します。

 

何のためにルプナを摂取し、ルプナのイカロを歌える様になりたいのかを、自分に問うのです。
そうして植物の薬用作用を学ぶのです。
アルマンドは、人を悪い心に導かないとルプナの精霊に誓いをたてたそうです。

 

人の治療のために誓いを立て修行するシャーマンもいれば、呪いの修行のために使用するシャーマンもいます。

 


ルプナのディエタ方法


 

シピボ族のシャーマンたちは、新鮮なルプナの幹の木片から芯をスプーンで削り落とし、マパチョ(≒タバコ)を加えた水の中に浸します。これらを練り合わせ、水分を絞ったルプナの樹皮汁をショットグラス1杯分、1日1回・3日間に渡り摂取します。味は刺すように苦い、赤茶けた色の液体です。

 

 

ルプナの樹皮汁を摂取してから15日間は、塩・砂糖・油・その他あらゆる調味料の摂取を制限する「ディエタ・セカ」と呼ばれる食事制限をします。

15日が経つと、アヤワスカのセレモニーをしてルプナの浸透具合を師事したシャーマンに確認してもらいます。

 


ルプナのディエタ体験談


 

ルプナの薬用作用は医療大麻とも似ているのですが、
よくあくびが出て快便になり、痛みや疲労が放出し眠くなり、月や宇宙の中の夢を見ます。
母なる地球に抱かれて、世界が安らかな酔い心地に包まれて微睡みます。

 

まずルプナを飲むと、ルプナの気配が自分の外側にあるのに気がつきます。
その後、あくびが出てその気配と重なり合います。
息を整えると、自分の思考がルプナの薬用作用とかさなり、
ルプナの幻覚の世界に入っていきます。

 

私がジャングルの中で、ルプナの木の前に住みながらルプナを飲んでディエタしたときには、
光りかがやく虹色のアナコンダが、
世界を支える柱であるルプナの木の下で円を描いて回りはじめ、
呼吸をすると目の前の森林も回り動きだしました。

 

ルプナの精霊であるアナコンダが語りかけてきた世界は、とても大きくて安心感のあるものの一部に取り込まれて機能しているような海のような愛が、自分の芯の中から広がり出ていき、原風景が頭の中を悟すように強い酩酊を与え、ルプナの幻覚で思考が直指教導され整理されていき、目覚め慈悲の心を開く世界です。

 

シャーマンがシャーマニズムの超感覚的世界の中心部から誓いを立てて修行をする植物ルプナ。神話が息づくシピボの森に脳を満たし、シャーマンの頭の中をのぞいて眺めているような薬木でした。

 


ルプナをディエタしたい方へのアドバイス


 

ルプナは強い幻覚作用と痛みを緩和する薬効がともにあり、酔いも愛にあふれるお薦めのシピボ族とのディエタ用の薬用植物です。

植物の作用がしっかりと浸透し、植物の思考を実感できる、1ヶ月以上からのディエタをお薦めします。

なお、シピボ族のシャーマニズムの植物との思考、対話の方法は、「アバター」という映画の世界観と、とても似ていると感じます。

 

精霊は、シピボ族にとって日本の妖怪に近い存在です。

 

そうして、なによりも重要なのは、熱帯雨林の先住民たちが信仰している森の中にこもり、人と会わずに生活をし、よくディエタを何回もして、植物を信仰し精霊と対話をする世界に生きることです。

 

Top画像:アーティスト”HARUKi”による作品「再会」